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Association of Animal and Plant Protein Intake With All-Cause and Cause-Specific Mortality.
Song M, Fung TT, Hu FB, Willett WC, Longo VD, Chan AT, Giovannucci EL.
JAMA Intern Med. 2016 Oct 1;176(10):1453-1463. doi: 10.1001/jamainternmed.2016.4182.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27479196
http://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2540540

◆◆ 低脂肪タンパク質の健康効果、大規模調査で裏付け 2016/08/02 08:59(マイアミ/米国)
http://www.afpbb.com/articles/amp/3095991

【8月2日 AFP】ナッツ、チキン、魚などの脂肪分の少ないタンパク質を食べることは、赤身肉、卵、乳製品を多く摂取する食事に比べて、死亡リスクを減少させるという大規模調査に基づく研究結果が1日、発表された。

 米医学誌「JAMAインターナル・メディシン」に発表された研究結果には、多くの健康専門家らが長年訴えてきたことに対する裏付けだけでなく、予想外の事実もいくつか含まれていた。
 例えば、赤身肉や、卵やチーズなどの脂肪分の多いタンパク質を豊富に摂取する食事は、他の点では健康な人の死亡リスクの上昇との関連は認められなかった。
 だが、大量飲酒、過体重、運動不足、喫煙などの他のリスク因子を1つ持つ人が赤身肉を多く摂取すると死亡リスクが上昇する可能性が高くなった。

 米ハーバード大学の研究者らが主導し、13万人以上の30年以上にわたるデータを使って実施された今回の調査は、本質的に観察に基づくものであるため、食事による死亡リスクの変化の背後にある生物学的原因の調査や、因果関係の証明などは行われなかった。
 論文の共同執筆者で、米マサチューセッツ総合病院研究員のミンヤン・ソン氏は「今回の結果は、動物性タンパク質よりも植物性タンパク質を多く摂取することをまず考えるべきで、動物性のタンパク源の中から選ぶ場合は、魚やチキンがより良い選択肢になる可能性が高いということを示唆している」と話す。
「これまでの研究では、食事全体を見据えた、タンパク質の全摂取量に主要な重点が置かれていた。これはこれで重要だが、どのような食品からタンパク質を得るのかということも同様に重要な意味を持つ」

 研究チームは、死亡リスクの上昇と関連のあるタンパク質の種類を調べた結果、牛肉や豚肉を含む、加工済みおよび未加工の赤身肉が、それに該当することを突き止めた。
 死亡率が最も低かったのは、パン、穀類、パスタ、豆類、ナッツなどを主なタンパク質源としている人のグループだった。

 ソン氏によると、赤身肉を摂取している以外にリスク因子を持たない人のグループには死亡リスクの上昇がみられないことが判明し、研究チームは驚いたという。
「健康的な生活スタイルのグループでは、死亡リスク上昇との関連性が弱まることが判明するかもしれないと予想していたが、その関連性が完全に存在しないとは全く予想外だった」とソン氏は述べた。
「だが、データをさらに詳細に調べた結果、動物性タンパク質の摂取量が同レベルでも、不健康な生活スタイルのグループは、赤身肉、卵、高脂肪乳製品などの摂取量が多い一方、健康的な生活スタイルのグループは、魚や家禽(かきん)類の摂取量が多いことが分かった」

 英国食品研究所の栄養学研究者、イアン・ジョンソン医師によると、今回の研究は「確固たるもの」で、「主に植物性食品から成る食事は肉製品や乳製品を多く含む食事より長期的な健康に良い効果をもたらすという、同意する人が増えている知見を裏付けていると思われる」という。同医師は今回の研究には参加していない。
 だがジョンソン医師は、アンケートデータに基づく今回の研究では「メカニズムに関してはほとんど説明されていない。植物性タンパク質に健康を守る効果があるのか、それとも動物性タンパク質が健康に害を与えるのかといった問題や、これらのタンパク質のレベルが単に何か他のものの指標になっているだけなのかどうかについては全く明らかになっていない」と指摘した。(c)AFP/Kerry SHERIDAN


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大西睦子の健康論文ピックアップ119
◆◆ タンパク質、動物性から植物性に置き換えよう!| 2016年8月20日 11:25

http://robust-health.jp/article/cat29/mohnishi/000745.php

◆植物性タンパク質、鶏肉、魚が健康的

研究者らは、ハーバード公衆衛生大学院が実施している、女性看護師を対象とした大規模疫学研究「Nurses&39; Health Study(NHS)」において32年間(1980〜2012年)と、男性医療従事者を対象とした大規模疫学研究「Health Professionals Follow-up Study(HPFS)」において26年間(1986〜2012年)、それぞれ調査しました。参加者は、女性8万5013人(64.7%)と男性4万6329人(35.3%)の、合計13万1342人です。調査開始時の平均年齢は49歳でした。参加者の食生活については、食物摂取頻度調査票を使った調査を実施して評価し、4年ごとに更新しました。また、医療やライフスタイル、その他の健康に関する情報については、2年ごとにアンケート調査を行いました。調査終了時、3万6115人が死亡(心血管疾患:8851人、がん:1万3159人、その他:1万4105人)していました。

Mingyang Song, et al.
Association of Animal and Plant Protein Intake With All-Cause and Cause-Specific Mortality.
JAMA Intern Med. Published online August 01, 2016.
doi:10.1001/jamainternmed.2016.4182


統計学的に分析したところ、次のような結果が得られました。

●全体の9割の人が、総摂取カロリーのうち、動物性タンパク質から9~22%(中央値※は14%)、植物性タンパク質から2〜6%(中央値は4%)を摂取していました。動物性タンパク質の主な摂取源は、赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉など)や白身肉(鶏肉など)、魚、卵、乳製品で、植物性タンパンク質の主な摂取源は、パンやシリアル、パスタ、ナッツ、豆類です。
※データを大きさの順に並べたときの真ん中の値

●動物性タンパク質の摂取が、総摂取カロリーに対して10%増えるごとに、総死亡リスクが2%増加し、心血管疾患による死亡リスクが8%高まりました。この関連性は、肥満もしくは深酒の習慣がある人で特に強まりました。

●一方、植物性タンパク質が総摂取カロリーに対して3%増えるごとに、総死亡リスクが10%低下し、心血管疾患による死亡リスクは12%低くなりました。この関連性は、現在も喫煙の習慣があり、飲酒習慣があり(1日に最低ビール小瓶1本分)、太り過ぎまたは肥満で、運動不足の65歳以下もしくは80歳以上の参加者でより強く認められました。

●また、動物性タンパク質の種類によっても違いが見られました。摂取エネルギーの3%分のタンパク質を、数種の動物性タンパク質から植物性タンパク質に置き換えたところ、総死亡リスクは以下の通りとなりました。▽加工肉から植物性タンパク質への置き換えでは34%減少、▽非加工の赤身肉からの置き換えでは12%減少、▽鶏肉や魚からの置き換えでは6%減少、▽卵からの置き換えでは19%減少、▽乳製品からの置き換えでは8%減少。つまり、鶏肉や魚を摂取した人の死亡リスクは、植物性タンパク質を摂取するより高めだったものの、赤身肉や加工肉を摂取した人よりも低かったのです。

以上から、同じタンパク質を摂るならば動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質を多めに、動物性たんぱく質を摂るならば加工した赤身肉よりも鶏肉や魚を多めに摂ることを心がけるのが健康的と言えます。


◆生活スタイルで違うタンパク質の種類の影響

上記の結果からは、タンパク質の種類や摂取量と死亡リスクの関係は、純粋にタンパク質の種類のみに依存しているというよりも、参加者の不健康な生活スタイルの影響が大きいことも見受けられます。

そこで研究者たちは、参加者を「健康な生活スタイル」グループと「不健康な生活スタイル」グループに分けて分析を行いました。「健康な生活スタイル」とは、タバコを吸わないか年に5パック未満で、お酒は飲まないかたしなむ程度(アルコールにして女性は1日14g、男性は1日28g未満)、BMI(体重指数)が18.5から27.5未満、最低でも中強度の運動を週に150分もしくは高強度の運動を励行していること、と定めました。これに当てはまらないのが、「不健康な生活スタイル」となります。

その結果、以下のような特徴が見られました。

●健康な生活スタイルの人たちは、動物性タンパク源として、魚や卵をより多く摂取していたのに対し、不健康な生活スタイルの人たちは、加工肉や未加工の赤身肉、をより多く摂取していました。

●同量の動物性タンパク質であれば、不健康な生活スタイルの人たちは健康な生活スタイルの人たちより多くの赤身肉(加工・未加工)、卵、高脂肪の乳製品を摂取し、一方で鶏肉や魚、低脂肪の乳製品の消費は少ないことが分かりました。同じく同量の植物性タンパク質で比較すると、野菜や果物、全粒穀物、食物繊維が少ないことが明らかになりました。

●死亡との関連を見ると、動物性タンパク質の摂取と総死亡リスクに関連性が認められたり、植物性タンパク質摂取が増えることで死亡リスクが低下したりするのは、不健康な健康スタイルを送っている人、つまり、喫煙や深酒、太り過ぎもしくは肥満、そして運動不足のうち、少なくとも1つが当てはまる参加者に限られました(ただし、動物性タンパク質による死亡リスク増は統計学的に有意、つまり偶然でないと言えるほど大きくはありませんでした)。一方、興味深いことに、健康的な生活スタイルを送っている人には、動物性タンパク質の摂取増加による死亡リスク上昇はほとんど認められず、植物性タンパク質の摂取増加によっても死亡リスクに大きな違いはなかったのです。

以上から、日ごろから健康に気を使った生活スタイルを送っている人たちは、タンパク源として加工肉や赤身肉よりも鶏肉や魚を多く摂取していること、植物性タンパク源の種類にも違いがあることが分かり、のみならず、タンパク質を多く摂取しても死亡リスク上昇につながっていないことが分かりました。その背景として、不健康な生活スタイルの人々には、慢性炎症やメタボリック症候群など、タンパク源の違いによる影響(動物性タンパク質を多くとることの悪影響や植物性タンパク質に切り替えることでの好影響)を強める要因を既に持っている可能性が考えられます。


◆加工肉や赤身肉に発がん性?

今回の研究からは、生活スタイルによる影響の違いはあるとしても、加工肉や赤身肉と死亡リスクとの関連が目立ちました。これに関しては、「加工肉や赤身肉が、がんの原因となる」というWHO(世界保健機構)の発表(2015年10月26日)が記憶に新しいところです。
https://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2015/pdfs/pr240_E.pdf
http://www.iarc.fr/en/media-centre/iarcnews/pdf/Monographs-Q&A_Vol114.pdf

この発表は、仏国リヨンで開催されたWHOのがん専門機関「国際がん研究機関」(International Agency for Cancer Research :IARC)の会議によって策定されたものです。世界10カ国から22人の科学者が集まり、加工肉や赤身肉の発がんリスクについて、過去の800以上の研究を調査した上で、総合的に評価しました。IARCの評価では、発がん性があるかどうかを5つのグループに分類し、科学的根拠の強さを示しています。

結論から言えば、IARCは加工肉を、タバコと同じ「グループ1:発がん性がある」と判定しました。調査の結果、加工肉の摂取はがんのリスクをわずかに増加させること、摂取量が増えるとリスクが高まることが判明しました。そこでさらに10研究について解析をしたところ、毎日50gの加工肉を食べると、大腸がんのリスクが18%増大すると結論づけました。50gというと、ベーコン約2枚、ホットドッグ用ソーセージ1本分の大きさです。IARCは、加工肉が大腸がんの原因になると結論づけました。さらに、胃がんとの関連も示唆しています。

赤身肉については、総合的には強いがんとの関係が示されず、判定は「グループ2A:おそらく発がん性がある」となりました。消費量との関係を推測するのは困難でしたが、一部の研究からは、赤身肉100gを食べると大腸がんのリスクが17%高まることが示されています。さらに膵臓がんや前立腺がんとの関係も示唆されました。

ただし注意すべきことは、IARCの判定は、物質や環境の発がん性の強さや、どれだけの量を摂取するとがんが発症するかというリスクを評価するものではないことです。

実際、IARCは、加工肉や赤身肉を、完全に食べるな!とは言っていません。特に赤身肉には、質の質、ビタミンB群、鉄および亜鉛などの重要な微量栄養素が含まれています。また今回の研究でも、植物性タンパク質の摂取が動物性タンパク質摂取よりも低死亡傾向となったメカニズムは不明ですし、動物性タンパク質は、植物性タンパク質に比べて体が利用しやすいという利点もあります。しかしながら、過度の摂取は控えておくのがよさそうです。動物性タンパク質を多く摂取をしている人は、植物性タンパク質に置き換えること。動物性タンパク質として、鶏肉や魚の割合を増やすこと。そして同時に、健康的な生活スタイルを送ることも心がけていきましょう!

大西睦子 内科医師、ボストン在住。医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月から7年間、ハーバード大学リサーチフェローとして研究に従事。著書に「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側 」(ダイヤモンド社)。

作者 : popcornista
作成日 : 2016/10/19 18:52:55
最終更新日 : 2019/08/22 16:38:26

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